博品館劇場~その開場から現在に至るまで (後編)

2018/12/07

博品館劇場~その開場から現在に至るまで (後編)のイメージ画像
1988年8月「I GOT MERMAN」(左から)田中利花・諏訪マリー・中島啓江

昭和63年、本場ブロードウェイにも進出した演出家 宮本亜門の処女作「I GOT MERMAN」が大評判を呼び、再演を重ねる中で、オリジナルキャスト、ニューキャスト、ブロードウェイからオーディションを経たキャストによる3バージョン公演が3ヶ月に亘って行われるという、一大プロジェクトに成長しました。
このように、オフブロードウェイさながら、博品館劇場を拠点に大きく羽ばたいていった作品、カンパニーが他にもあります。「THE CONVOY SHOW」もそうですし、博品館劇場で産声を上げ、様々な作品を送り出している『DIAMOND☆DOGS』もそうです。いずれも、著しい進化を遂げながらも、こじんまりとした空間の博品館劇場にもその良さを見出し、公演を展開しています。
また、世界で熱い視線を集めている2.5次元ミュージカルも、そのはしりともいえる作品の数々が博品館劇場で上演されました。もう四半世紀も前のことです。もちろん、今でも様々な作品が上演されています。



「Shoes On! 2016」

レパートリーは実に多岐にわたり、コンサートやダンスショー、また落語などの公演も多いのですが、中でも画期的だったのは、平成2年秋に行われた「春風亭小朝独演会」でした。小朝師匠が、30日間毎回異なった噺を披露したのです。
その他、博品館劇場では、同じ博品館のTOY PARKと共に連携して、「ウルトラヒーローバトル劇場!」など、子供にも楽しんでもらえる企画も積極的に催しています。


このように、博品館劇場はバラエティに富んだ様々な作品をお贈りしていますが、その中でも近年の大事なレパートリーが、タップです。
平成6年からすでに「タップダンスフェスティバル」を開催しておりますが、タップを魅せるショー「Shoes On!」を上演したことに端を発して、様々なオリジナル作品が生まれました。Mr. Bojanglesことビル・ロビンソンを描いたミュージカル「The Tap Guy」、戦後直後の銀座を舞台にしたミュージカル「タップ・ジゴロ」、また北野武氏原案による日本兵と米兵のタップを通じた交流を描いた「海に響く軍靴」です。



「海に響く軍靴」

博品館劇場は、今後も、様々なカンパニーと手を携えて、また自らの企画・製作で、400弱という臨場感溢れる劇場にふさわしい作品をお届けしてまいります。


伊藤義文(株式会社博品館代表取締役会長)