シアタークリエ ~創造という名の劇場~

2018/07/13

シアタークリエ ~創造という名の劇場~のイメージ画像
芸術座外観

日比谷の地に2007年(平成19年)に生まれたシアタークリエの前身は「芸術座」という劇場でした。ご年配の方にはこちらの劇場の方が馴染み深いかもしれません。


芸術座は1957年(昭和32年)にオープンし2005年(平成17年)までの48年間、お芝居の殿堂として『がめつい奴』『三婆』『たぬき』、そして『放浪記』といった演劇史に残る数々の傑作を世に送り出してきました。
この芸術座を設立したのが、当時弊社演劇担当重役を務めていた劇作家の菊田一夫でした。菊田一夫は演劇製作において「芸術性と大衆性」という方針を打ち出していました。その結果として芸術座設立当初は非常にバラエティに富み、時に挑戦的な作品を数多く上演していました。和物のオリジナル作品はもちろん、『奇跡の人』『かもめ』といった翻訳劇や当時ではそれほど多くなかった海外ミュージカルも積極的に上演をしています。実はかの有名なミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の日本初演は、1965年(昭和40年)の芸術座だったのです。主演は淀かほると高島忠夫です。大変興味深い作品としては、スポ根マンガのはしりといわれている『巨人の星』の舞台版が1969年(昭和44年)に上演されており、中村吉衛門が主演を努めました。この後も山田五十鈴、森光子といった数々の名優たちが芸術座の舞台を彩り、2005年3月、芸術座は建物の老朽化のため惜しまれつつも48年間の歴史に幕を閉じます。建物いっぱいに作られた750席の劇場。舞台とお客様の距離が近く、一つの空間で皆が笑って泣いたとても温かい劇場でした。



ロビーに飾られた上演作品舞台写真パネル

そして芸術座設立から50年、芸術座の精神を引き継いだ新劇場、シアタークリエ(611席)が誕生しました。演劇のすべての始まりは創造、createすること。createという行為が人々のimagination(想像)を生む。私たちはこの「創造」と「想像」というとても幸せな循環に注目しました。その根本であるcreateという名前を劇場名に冠し、シアタークリエ、創造という名の劇場が誕生したのです。


杮落とし公演は三谷幸喜作・演出の新作「恐れを知らぬ川上音二郎一座」。ユースケ・サンタマリア、常盤貴子、戸田恵子、堺雅人、堺正章 他、豪華キャストが勢ぞろいの華やかな作品となりました。オープニング・シリーズとして続いたのは、森光子主演『放浪記』、日本初演ミュージカル『レベッカ』と、シアタークリエは国を問わず、ジャンルを問わず、芸術性と大衆性を兼ね備えた優れた作品を世に送りつづけることを宣言しました。


そして開場より11年、2018年6月現在の上演作品は160本に上り、ストレートプレイからミュージカル、コンサート、朗読劇、多岐にわたる作品を世に送り出し、日々多くのお客様にお楽しみ頂いております。これからも、シアタークリエではcreationとimaginationの幸福なサイクルを営み続けて参ります。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。


東宝株式会社 演劇部企画編成室
副室長 山﨑奈保子
(初代シアタークリエ支配人)